この記事はスギ花粉症の舌下免疫療法【シダキュア】について解説する全3回の連載の【第3回目】です。

こんにちは。たけぶちファミリークリニック院長の柄澤です。
シダキュア治療を考える親御さんから、特によくいただくのが「毎日同じタイミングで飲ませられるかしら?」というスケジュールのご不安です。
 
シダキュアには服用後2時間は「激しい運動」や「入浴・飲酒」を避けるという2時間ルールがあります。
 
そうはいっても朝練もあるし、夜も部活で帰りが遅い。お風呂に入ってから2時間あけたら深夜になってしまう……」と途方に暮れてしまうケースは少なくありません。
 
今回は、忙しいスケジュールの中でどうシダキュアを生活に組み込むか、そして修学旅行などの学校行事でのルールについて解説します。

運動部・夜遅い子の「服用タイミング」3つの実例


先ほどお伝えした通り、シダキュアには服用後2時間「激しい運動」や「入浴・飲酒」を避ける必要があります。これは、血行が良くなることで薬の吸収が急激に高まり、副作用が出やすくなるのを防ぐためです。
 
しかし、一日のスケジュールは一人ひとり違います。当院では、お子様のライフスタイルに合わせて以下のようなタイミングをご提案しています。

パターンA:帰宅後すぐ(夕食前)に飲む

夜遅くまで練習があるお子様の場合、「帰宅して、お風呂や夕食の前にまず飲む」のがおすすめです。
服用後1〜2時間は入浴を控える必要がありますが、その間に夕食を済ませたり、宿題をしたり、テレビを見たりして過ごせば、時間を有効に使えます。その後、安全に入浴して就寝できます。

パターンB:就寝前に飲む

「夕方はバタバタして忘れてしまいそう」という場合は、全ての用事を済ませた就寝前も選択肢になります。
ただし、「入浴後2時間」が経過している必要があるため、お風呂に早めに入るか、シャワーだけでサッと済ませる日を作るなどの工夫が必要です。

パターンC:朝の登校前に飲む(朝練がない場合)

夜がどうしても不規則になるなら、朝に変えるのも一手です。起きてすぐ、または朝食後に服用し、落ち着いてから登校します。※ただし、朝練でハードな運動がある日は避けてください。

💡専門医からのアドバイス

 
スケジュールがどうしても合わない日は、「今日はシャワーだけにして就寝前に飲む」「少し時間をずらす」など、柔軟に対応して大丈夫です。
当院では、お子様の一日のタイムスケジュールをお聞きしながら、無理のない最適なタイミングを一緒に考えています。

修学旅行や宿泊行事での「休薬ルール」


「修学旅行や合宿中も、毎日忘れずに飲ませなきゃいけないの?」 というご質問もよくいただきます。慣れない環境や集団行動の中では、服用の管理が難しいこともありますよね。
 
結論から言うと、修学旅行などの数日間の宿泊行事中は、無理をせず「休薬(お休み)」して大丈夫です。
 
数日間お休みしたからといって、これまでの治療効果が全てリセットされてしまうわけではありません。旅行中は目一杯楽しむことを優先し、自宅に帰ってきた翌日から、またいつものリズムで再開しましょう。
※ただし、自己判断で1週間以上の長期休薬になってしまうと、再開時に副作用が出やすくなることがあるため、長期間休む場合は必ず事前に当院へご相談ください。

まとめ

5年という治療期間の中では、部活のシーズンが変わったり、塾の時間が遅くなったりと、生活リズムはどんどん変化します。
 
マニュアル通りにいかないからと治療を諦める必要はありません。「うちの子のスケジュールだと、いつ飲めばいい?」と思ったら、ぜひ診察室で気軽にお尋ねください。アレルギー専門医として、ご家族に伴走しながらサポートいたします。
 
全3回にわたるシダキュアコラムをお読みいただき、ありがとうございました。皆様の春が、少しでも快適なものになりますように!


この記事の監修者

【日本アレルギー学会専門医】
東京都中央区のアレルギー科/小児科 
たけぶちファミリークリニック院長
柄澤 千登世
大学病院や総合病院の小児科・アレルギー科にて30年以上にわたりアレルギーの専門診療に従事。気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーからシダキュアなど舌下免疫療法まで数多くの臨床経験を持つ。

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